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高利貸し


◆タイプ 通信販売型
◆勧誘方法 DM,テレコール、折込広告など。
消費者が出向くこともある。
◆ターゲット 金策に困った事業主、一般の人も。
◆クーリング・オフ 物を買うわけではないので、不可能。


 昔から高利貸しは存在するが、最近は債務者と債権者が顔を合わさずに金銭の貸借ができるようになった。

■一般的にいう高利貸し

  法定金利を軽くオーバーするような利子をつける金融業者。とりあえず出資法にかかる金利に達していなければそれでいいじゃんみたいな感覚のようだ。
 一般に言う消費者金融(サラ金)や街金融もこの範疇だ。
 銀行が貸し渋りをする中、貸し倒れのリスクを背負って無担保で金を貸すのだから、多少金利が高いのはやむを得ないという声もある。実際は貸し倒れ率が3%とそれもどでもないので、その言い訳はあまり説得力がない。
 考え方としては、「客が好き好んで余分な利子を払ってくれているので、ありがたく頂戴している」のだ。だから、本来の法定金利を提示したうえで金利を払ってもらうという形でない限りは、弁護士を通じて余分な利子を返してもらうこともできる。


■システム金融
 金貸しの中でも特に悪質だと話題になっている手口。これにかかったら,全てを失うまで財産をむしり取られてしまう。
 特徴としては,被害者と金融会社の社員が一度も顔を合わせないということ。やり取りはすべて電話とFAXでおこなわれる。

1)ファーストコンタクト
 借金で苦しんでいる中小企業の経営者などの元へ「すぐにご融資します」とFAXが送られてくる。
 もちろん,消費者金融などから流れた顧客名簿を元に送ってくる。
 謡い文句は「すぐに100〜500万円融資できる(おおむね1時間以内)」「保証人・担保不要」「他店で断られた方可」。
 スポーツ新聞や雑誌の広告,折り込みチラシにもそれっぽい業者の広告が掲載されている。
 いくつものサラ金会社から金を借りまくり,返済のためにまた借金,支払い期日が目前にまで迫っているという人にとっては天の助けに感じる。無論,天の助けどころかますます泥沼へ足を引き入れるものなのだが……。

 電話をかけると,すぐにFAXで「ご融資申込書」が送られてくる。
 記入事項は非常に細かく,例を挙げれば,
 などなど。

 ここでは仮に100万円借りたと仮定する。

 「ご融資申込書」に記入して送ると,今度は「商品売買契約書」。印刷は得てして不明瞭。
 これに記入して送ると,返済のための小切手の額面金額,決済期日と小切手の送り先,そして手続き方法が送られてくる。

 「小切手をコピーしてFAXで送ってください」
      ↓
 「小切手を書留速達で郵送してください」
      ↓
 「書留の控えと送金先をFAXしてください」

 運転免許証もコピーしてFAXするよう求められる。
 それらを送信し書留の控えもFAXすると,20分後には口座にお金が振り込まれる。
 手形決済が今日だったなんて言う人には大助かりだ。そこが「スピード融資」という謳い文句が生きてくるところなのだ。


2)システム金融のシステム
 融資希望を100万円だといっても,手数料などの名目で一部をはねられ,92万9480円。いきなり7%強差し引かれる。さらに,とてつもない金利が課せられる。
利息制限法の金利上限 15%(100万円のとき)
出資法の金利上限 40.004%
 上記が「法定金利」だが、高利貸しともいわれるサラ金は,18〜28%が平均。超高利貸しの街金融ともなるとトイチ・ゴイチといわれる金利になる。10日で1割,5日で1割(すなわち10日で2割)とかいうところだ。10日で,なんていうからちょっとピンとこないけど,年利換算するとトイチは360%(元金の3.6倍),トゴは720%(元金の7.2倍)というとんでもない金利になる。この上にもまだ,トサン・トゴなる言葉もあるのだから,そうなると年利はどうなるのか。雪ダルマ式に増えていく,とはこのことだろう。
 被害者にしてみれば手形の不渡りを出したくない。ここはなんとか無理してでもと借りてしまうようだが,100万円が返せないから借金しているわけなのだから,月60%以上の利子を払えるはずなど到底できるはずがない。
 返済日が近づくと,また新たな金融会社から「融資致します」のFAXが送られてくる。背に腹をかえられない債務者はその新たなシステム金融に手を出し,またそこの返済日が近づくと別の金融会社からFAXが来る……。無論,それら金融会社は横でつながっているのはいうまでもない。
 債務者は借金返済のために新たな借金を行い,自転車操業に追い込まれる。そして結局,借りる前よりもひどい状態で破綻してしまう。
 サラ金会社は高利貸しとはいえ,純粋な意味での「金貸業」である。無担保で貸し出しするところが多く,顧客が破綻するかもしれないというリスクを背負っているのでやむを得なく利子が高く付いてしまうところが大部分だ。一方,システム金融に至っては明らかに顧客を食いつぶして殺すのが目的だ。
 被害の程度は,深刻とよべるレベルにまで悪化する。被害者が弁護士に相談をするのにも,順番待ちだそうだ。その日のうちに相談できないケースも多々あるくらい被害者が続出している。


3)解決方法
 被害額となると甚大なものになるのでなかなか泣き寝入りというわけにはいかない。
 その割には解決法は明瞭だ。
「利息制限法以上の金利は違法」
 つまり,100万円を借りたならば年利15%に相当する額以上は支払う必要はない。これはまともな部類に属するであろうサラ金会社(消費者金融)に対しても同様だ。ただし,サラ金会社に関しては,所定の手続きを踏みさえすれば出資法で制限されている金利まで設定できるという抜け道がある。そうなると年利30%だといわれても合法になってしまう。
 これは,『利息制限法』第1条第1項には,利息の最高限度を超過する部分は無効,とあるが,同条第2項により債務者が当該超過部分を任意に支払ったときは,その返還を請求することはできないということだ。
 建前としては,「顧客が余分に利子を払ってくれることに同意している」ということになっている。契約時にそんなことに同意するも何も,そういう取り決めそのものを知らない債務者が大部分だろう。
 サラ金会社はともかくとして,返還請求は概して弁護士を通したほうが無難だ。この手の金融屋はえてして暴力団が噛んでいるケースが多いからだ。
 事業主不明,住所不明,電話番号は転送電話、電話代行となるとなかなか手が出せないので,できる限り相手の情報は抑えておくべきだ。


4)システム金融の見分け方
 ……と書いてしまったが,はっきり「これだ」と見分けることはほとんど不可能だ。しかし,広告の情報から,いくつかのポイントでチェックすることができる。
謳い文句
「他店で断られた方可」「借金一本化」というのは,「整理屋」「紹介屋」である可能性が高い。金融会社は名前と誕生日からその客が何件で幾らの借金があるか調べることができる。それで「この客はやばい」と判断されてしまうのだ。そんな焦げ付きのおそれ大の客に貸そうだなんていう金融会社は,よほどカネが余っているかシステム金融かのどちらかだといってしまっても過言ではないだろう。
金利の明記はあるか
 時々見あたらない。もっとも,明朗に書かれていても「あなたの財務状況ではとても貸せない。しかし……」とよその金融会社(無論系列)を恣意的に紹介したり,法外な利子を積み増すところもある。
電話番号をチェック
 フリーダイヤルはを導入するメリットは,客が電話をかけやすいということと住所が割れないというところにある。普通の電話番号であれば市外局番から市町村レベルで場所が特定できるからだ。だからといって,フリーダイヤルを使っている会社が悪質と勘違いされては困る。しかしながら,直通番号を併記しているほうが安心できる。
 直通番号も,転送電話や電話代行である可能性も否定できないのだが……。
住所をチェック
 システム金融は,店舗へ足を運ばなくてもお金を借りられる利便性がある。一方では,店舗の所在地が分からないので足がつかないという業者にとっての利便性もある。住所が分からなければトラブルが発生しても対処が困難である。  住所が書かれていないところは飛ばしたほうが無難。
登録番号
 金融会社の広告スペースのどこかに,県(1)12345 といった表示がしてある。都道府県知事の認可でもって営業ができるのだ。また,武富士やプロミスのような複数の都道府県にまたがって店舗を展開しているような大手は,近畿(7)12345 といった,地方財務局で認可が出ている。
 最初の「県」は,県知事の略。ここが「府」ならば大阪か京都府知事になるし,「都」であれば東京都知事だ。そして次に見てほしいのが(1)。多くは丸数字で書かれている。 これは,営業許可が下りてからの年数を表す。(1)は1年未満,(3)となれば3年目だ。ここの数字が大きければ大きいほど長い間営業を続けているということになる。
 ここで,「トイチ」という言葉がある。10日で1割の利子,という意味でもあるが,もう一つ別の意味がある。
 それは「都(1)」の金融会社だ。全ての1年目金融会社が悪質であるはずはないが,社名を変え住所を変え,転々としている悪質金融会社は常に開業1年目のままである。ここがデタラメな会社もあるので判断は難しい。
 日曜になると、新聞の折込広告がいつもより多く入ってくる。求人広告が特に目立つのだが、その中で怪しげな募集広告が入っていることがある。
 「短期で大金を必要とする人」向けの広告がそれだ。テレホンアポインター(電話勧誘嬢)、風俗店、運送業、某マルチまがい業者、そして貸金業の記事が並んでいる。
 ここに掲載された貸金業(今のところ105社)を表にまとめ、知事の認可番号、融資上限額、住所、電話番号、うたい文句を並べてみた。すると、認可番号は同じだが社名(商号)と電話番号が異なっていたり、逆に電話番号は同じだけど複数の認可番号を持つ業者などある。広告記事を並べてみると、別会社なのだが同じ体裁のところもあり、これは根っこは一緒だなと思う。こういうところは金利は統一されている。もちろんすべて、認可を受けてから1年目のものばかりだ。
 さすがにこの表はネットに公表できないです……。


関連記事: 利息制限法条文
参考サイト: 貸金業の登録@東京都産業労働局
       しおさいの会
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